卓球のルールの中でも一際特殊なルール。
「促進ルール」について解説していきます。
卓球初心者の方は先にこちらの記事をお読みください。
ルールを基礎から解説しています。
初心者の方がいきなり促進ルールの試合を経験することは少ないと思います。
ですが、カットマンの方は絶対に覚えておくべきルールです。
日々の練習で対策しておかなければ、いざ試合で適用された時に対応できません。
- 促進ルールをわかりやすく解説します
- 促進ルールになった場合の対策を解説します
対カットマン攻略の参考にしてください。
ポイントはこちらです。
- 1ゲームで10分以上続き、両者の合計点数が18点未満の場合に促進ルールが適用される
- サーブは1本交代
- サーブから13本以内に決めないとレシーブ側の得点
- 双方の合意があれば最初から促進ルールが適用される
- 促進ルール適用後は試合が終わるまで促進ルールが続く
- カットマンでも攻撃が必要になる
こちらの記事は動画で学ぶこともできます。
時間のない方は動画で、更に詳しく知りたい方は記事を最後まで読んでみてください。

- 中学生から卓球を始める
- 中学で全国大会、高校で近畿大会に出場
- 母校でコーチ経験もあり
促進ルールは試合の長時間化を防ぐためにある
そもそも促進ルールとは、長時間試合が続いてしまうことを防ぐためのルールです。
通常、促進ルールを経験する機会はあまりありません。
促進ルールは特に女子中学生・高校生のカットマン同士の試合で適応されるケースがあります。
なぜならツッツキラリーの展開が永遠と続くからです。
攻撃に自信がないカットマン同士の試合となると、打ってもミスをするので、安全策でツッツキを選んでしまいます。
お互いカット・ツッツキが本職のカットマン。
ツッツキラリーではいつまで経ってもラリーが終わらない、なんてことが発生するんです。
そんな時、試合が長時間続くことを防ぐ目的で促進ルールが設けられました。
卓球の促進ルールについて
促進ルールの詳細について解説します。
- 1ゲームで10分以上続き、両者の合計点数が18点未満の場合に促進ルールが適用される
- サーブは1本交代
- サーブから13本以内に決めないとレシーブ側の得点
- 双方の合意があれば最初から促進ルールが適用される
- 促進ルール適用後は試合が終わるまで促進ルールが続く
1ゲームで10分以上続き、両者の合計点数が18点未満の場合に促進ルールが適用される
通常1ゲームは10分以内に決着がつくことがほとんどです。
早い試合では10分で3ゲーム先取される場合もあるでしょう。
ですが、ある程度のレベルのカットマン同士がツッツキラリーを続けると、ミスが少ないので10分経っても試合が一向に進みません。
そんな時に促進ルールが適用されます。
具体的には
1ゲーム内で10分経過しても互いの合計得点が18点未満の場合に適用されます。
促進ルールではサーブは1本交代
促進ルールは試合を早く進めることが目的なので、10分経過すると強制的に促進ルールに移行します。
そのためラリー中に時間が経過した場合、ラリーを中断させてサーブから仕切り直しとなります。
サーブは中断したラリーで出していた方からとなります。
促進ルール適用後はサーブは1本交代です。
促進ルールは特殊なルールなので、交互にサーブ権が移ります。
その理由は促進ルールの得点方法が特殊だからです。
促進ルール中はサーブから13本以内に決めないとレシーブ側の得点になる
促進ルールを知らなければならない大きな理由が、適用されると状況が一変するからです。
サーブを「1」
3球目を「2」
と数えていき、13回打つ間に得点しなければいけません。
レシーブ側は、サーブ側が打った13回目のボールを返球できれば得点できます。
レシーブ側は、どんな形でも13本目を返せば得点です。
ツッツキでもロビングでも、13球目を返せれば得点になります。
双方の合意がある場合など、最初から促進ルールが適用される場合もある
そもそも適用されること自体が珍しい促進ルールですが、稀に双方の合意の元、試合の最初から促進ルールが適用される場合もあります。
- カットマン同士の実力が拮抗しているとわかっている
- 試合進行が大幅に遅れている
このような場合で、双方の合意があれば試合の最初から促進ルールが適用されることもあります。
ただし促進ルールの合意には注意も必要です。
このゲームだけ促進ルールで!とはいかないないからです。
促進ルール適用後は試合が終わるまで促進ルールで進む
気を付けなければならない点は、一度適用されると、試合が終わるまで適用され続けるという点です。
1ゲームが終わったからといって、次のゲームから通常の試合ルールに戻るわけではありません。
1ゲーム目から適用されれば、その後ずっと13本目までに決める、というプレッシャーが次のゲームでも継続します。
促進ルールでの対策①:相手のツッツキを攻撃できるように型を作る
促進ルール内で得点するための対策を解説します。
それは攻撃するための型を作っておくことです。
そのためのポイントを3つ紹介します。
- ツッツキのテンポを早くする
- ストップを混ぜて対角線に動かし相手を崩す
- 前に出た相手に対して対角線へ攻撃する
促進ルールが適用されるような試合では、繋ぐのが上手いカットマンを相手に攻撃をしなければなりません。
ドライブマン相手のようにツッツキやカットだけでは絶対に点は取れません。
だからこそ、カットマン同士の試合を想定して、カットマンでも下回転に対する攻撃の練習をする必要があるんです。
- ドライブ
- スマッシュ
- ツッツキ打ち
カットマンはカットでの得点が主です。攻撃に練習時間を割いていられません。
ですから、難しい攻撃ができる必要はありません。
これら攻撃プレーで自分に合ったものを一つでいいのでできるようにしましょう。
ただし、ドライブが打てるようになったからといって、むやみに攻撃してはいけません。
攻撃するためには準備が必要です。
ツッツキのタイミングを変える
カットマンはのツッツキは打点を遅らせて打ちますよね。
下回転を切ったり、余裕を持つためでもあります。
普段ならならそれでいいんですが、カットマン相手に同じテンポでツッツキをしていると、相手にも余裕を与えてしまいます。
そんな状態では、仮に攻撃が入っても得点にはなりません。
自分自身で考えてみるとわかりやすいですが、余裕を持っている状態で打たれても返せる自信がありますよね?
だからこそ、サーブを出す場合は、ロングマンのように早い打点でツッツキをすることをおすすめします。
テンポの早いツッツキでコースをつき、ストップで崩す
テンポの早いツッツキができるようになれば、コースをついて相手を動かすことができます。
その中でストップを混ぜて、相手に前後の動きをさせましょう。
前後の動きを入れることで、相手を崩すための幅が広がります。
13本って意外に長いですからね。
相手を前に動かして、攻撃を対角線に打ち込みます。
斜めの動きは一番距離が長いので対応が難しくなります。
促進ルールの対策②:レシーブ側の場合とにかく相手コートに深く返す
促進ルールにおいて、レシーブ側は圧倒的に有利です。
どんなボールであろうと、相手の13本目の打球を返せば得点になります。
そのために必要なことは、相手に強打されにくいボールを返し続けることです。
今回サーブ側の対策を解説している通り、促進ルールではカットマンでもどこかのタイミングで必ず攻撃してきます。
レシーブ側はプレーを変える必要はありません。
一番大切なことはボールを返すことです。
ただし、13本のラリーは意外に長いので、返しているだけでは安心できません。
そのためにできることは簡単です。
相手コートに深く返しましょう。
相手の攻撃が弱い側へ深く返すことができれば、さらに余裕が生まれます。
無理にツッツキを切ったり、自分から攻める必要はありません。
どんなボールでも返せる余裕を作ることに専念しましょう。
促進ルールの対策③:促進ルールを想定した練習をする
カットマンでも攻撃は必要なので、日常的に攻撃の練習をするに越したことはありません。
ですがカットマンはカットやツッツキなどに練習時間の多くを使います。
その中で攻撃練習の時間を作るのはなかなか大変です。
ですから「これは促進ルール用だ」とやることを決めて練習しましょう。
やることを決めておくと、いざという時に困りません。
練習中に仮想敵を作り、実際に促進ルールで試合をしてみましょう。
- ルールに慣れなければテンポがつかめない
- 13本目には必ず決めなければいけないので、その緊張感に慣れる
- レシーブ側の有利を理解する
試合では準備している人しか勝ち上がれません。
対ドライブマン用にカットの練習をしているように、対カットマン用に促進ルールでの練習は必要不可欠です。
促進ルールの内容とその対策のまとめ
今回は促進ルールの内容とその対策について解説しました。
まとめます。
- 1ゲームで10分以上続き、両者の合計点数が18点未満の場合に促進ルールが適用される
- サーブは1本交代
- サーブから13本以内に決めないとレシーブ側の得点
- 双方の合意があれば最初から促進ルールが適用される
- 促進ルール適用後は試合が終わるまで促進ルールが続く
- カットマンでも攻撃が必要になる
促進ルールが適用されることは珍しいですが、決してあり得ないわけではありません。
事前に準備をすることで、相手より余裕を持って試合に臨むことができるはずです。
今回の対策も参考にしつつ、自分に合った戦術を考えましょう。
特に強い人の試合を観ることは技術面・戦術面で非常に勉強になります。
Tリーグには、ドライブマン・カットマン・ショートマンなど様々な戦型の選手が参戦しています。
プロリーグ出場選手の戦術を是非真似してみましょう。
Tリーグに関して詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

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